作業用BGMが個人的に無理なことと作業環境について

みんなよく音楽聴きながら作業できるね&僕は静かなところが好きだけどそう言ってるだけで何も解決できてなくて難儀だね、という話です。数週間前、エンジニアの生産性がどうというような話が色んなエンジニアのブログで盛り上がっていたけど、生産性という話にも関わると思う。

僕はいわゆるプログラマというやつなんだけど、僕の思うプログラマという職種は、明らかに作業に集中することと生産力が直結するものである。

画面を見て固まっているように見える僕というエンジニアは、実は思考の旅に出ており、脳内スタックを深く深く掘り下げてシステムの設計を思案しているのであり*1、集中しているどころの騒ぎではなく、脳内キャッシュに色んなアイデアを載せては試行を繰り返しているので、少し集中が途切れるとそのキャッシュが飛んでしまって、あれ今何してたっけこの書きかけのコードの行き着く先はどこだっけ、などということになってしまい、ああなんかよくわかんなくなっちゃったなぁCtrl+Z押してちょっと戻ってみようかなぁ、となるのである。

その「少し集中が途切れると」というのが問題で、僕の場合は例えば開発している席のすぐそばでドタバタされたりでかい声出されたり、いきなりディスプレイ覗き込まれる位置で声かけられたり*2、喧々諤々な議論が行われていたり、最悪なんか不穏な空気を出されたり、とかしているともう気になって集中全然できなくなる。

周りを気にしすぎなのかなぁと思うけど、でも僕はそういうやつで、それで実際作業に支障がでるんだから仕方ないのである。だいたいが僕は神経質で、常に周りに人がどう配置されているか、今自分に意識を向けている人はいるかみたいなことを気にしてしまうので、もうダメダメなんだ。自分の背後に誰か立っていないか?誰かこちらに向かってきそうな奴はいないか?みたいな。もうね、できれば常に壁を背にして視界内には誰もいない無音の空間で作業していたい。現実的な作業環境として一番集中できるのは深夜の自室だし、オフィスにするなら精神と時の部屋のような空間で、入り口の建物の壁に背を預けられるような物件が理想である。

しかし世にあるオフィスが全て僕にとって理想的な環境かといえば当然そんなわけはないし、大抵は何らかの話し声が聞こえたり割り込み的な声掛けが生じたりするものなのだろう、とも思っている。当てはまらない環境といえば、そういう点も考慮されたオフィスだったり、在宅勤務だったりということになる。

そこで知り合いのエンジニアたちはどうやって問題を回避しているかと思って見てみると、多くの人はイヤホンで好きなBGMを聞きながら仕事していたりする。「イヤホンガード」とかいって。しかし、それが僕はできないので難儀している。僕はたいぎい*3。僕には、音楽を始めとする何かをイヤホンで聴くことも集中を阻害する要因になるのである。

集中して作業するときには「BGM」って成立しないのですよ。好きな音楽は特にそうなんだけど、全然バックグラウンドにならない。意識のフロントエンドに音がぐいぐい出てくる。気になるじゃないですか、歌詞とかコード進行とかベースラインとか和音とか音色とか。このディストーションレトロでかっこええとかこのトランペットのハイBきれいだとか。そうするともう、イヤホンガードしたところで人の声が楽器の音に変わっただけで、全然集中できない。茂木大輔さんも楽器別人間学かなんかで言ってました、「BGMが好きなやつなど音楽家ではないぞ」って。僕は音楽家じゃないですけど。でも音楽聴くときは音楽を聴くことしかできないのです。「作業用BGM」の動画に「作業妨害用BGM」とかタグがついてるとそりゃそうだろと思う。

つまり何が言いたいかというと、吉良吉影は静かに暮らしたいし僕は静かに仕事したい。そういうものに私はなりたい。

オーケストラ楽器別人間学 (新潮文庫)

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*1:プログラミングは細部に至るまで設計作業の塊だ

*2:チャットは苦にならない。無視できる非同期コミュニケーションなので。

*3:広島弁でうざったいやつ